声の出演:広橋涼

こんにちは! 私、地蔵って言うの!
ウンゲラ学園の1年生!
ちょっぴり涙もろいけど、悪いことは見過ごさない!
今日も学園内の揉め事をチェックしちゃうわよ(はぁと)
あっ、あそこにいるのは2組の名無し君たち!
どれどれ、何の話をしてるのかな〓?
あっ、また一部の人メソッドで他のクラスの子を言いくるめようとしてる!
よーし、ここは私が止めに行かなきゃ!
それ、Bだーっしゅ!
「お待ちなさい」
えっ、誰?
「女の子がはしたないわ、廊下を定規連打ダッシュなんて」
「あ、しば先輩!」
「定規連打ダッシュをするとお店の筐体が傷んで、インカムが減ってしまうのよ。慎みなさい」
「いんかむ……?」
「それはそうと、そんなに急いでどこに行こうとしてらしたの?」
「えっと、名無し君たちの一部の人メソッドを……」
たったったったった……。
どぎゃーん!
背後からの衝撃で吹っ飛ばされる私。
「そういう面白いことを独り占めしないでよね」
「そうそう、私たちも一緒に行くわ」
壁にめり込んだ私の目に入ったのは見慣れた二人組。
「偽地蔵ちゃん、お願いだから背後からのジョンウーはやめて……」
「じゃあ今度からはトルベジーノからのソルナシエンテね」
「どっちも嫌だよぅ……」
「あら? いつから私に口答えするようになったの?」
「いつからって、いつの間に主従関係が……」
「まだ口答えするの? そんな口答えする悪い子には……」
偽地蔵ちゃんがすっと近づいてきて、私の首の後ろに手を回した。
「にににに偽地蔵ちゃん? なな何するののののの?」
そのままぎゅっと私を引きよせる二本の腕。
近づく私の顔と偽地蔵ちゃんの顔。
お互いの息遣いが感じられる。
ああ、きっと
『口答えする悪い子の口はふさいじゃうゾ☆ミ』
とか言われてベーゼをされるんだわっ!
あ、ベーゼっていうのはキスのことね。
って私のファーストキスの相手は偽地蔵ちゃん!?
ででででもまだ心の準備が!
一人勝手に混乱する私に向かって、偽地蔵ちゃんは口を開いた。
「首……」
「首?」
首相撲から、チャランボー! チャランボー! チャランボー! チャランボー! チャランボー! チャランボー! チャランボー! チャランボー!」
偽地蔵ちゃんのムエタイ仕込みの膝蹴りが私の腹部を襲う。
「ブレーク! ブレーク! ヘイヘイ、ブレーク! ヘイ、ブレーク! ブレーク!」
数十発の膝蹴りの後、私は解放された。
「膝は小僧なんかじゃない。膝はデビルだよ……」
がくっ。
「あらあら、もう少し腹筋を鍛えた方がいいかしらね」
「さやわか先輩……、頼むから止めてください……」
遠ざかる意識の中で私は聞いたような気がした。
名無し君相手に
「出た! 一部の人メソッド出ちゃった!」
と先制攻撃を仕掛けるしばくう先輩の声を……。


続く




嘘だよ続かねーよ馬鹿か死ねよ。
深夜にこういうこと書くと絶対次の日後悔するぞ。
断言してやる。
あー蕁麻疹出る。
何がベーゼだ殺すぞ。